地下室で暮らすわたしを救うためにあなたは結婚を申し込んだの?“管理人兼ハウスキーパーの職に応募いたします”両親を事故で亡くし、何不自由なかったアラベラの生活は一変した。切実な思いを込めて書いた手紙のおかげでようやく見つけた職は、病院の地下室に住んで、待合室や診察室の掃除をしたり、患者やスタッフのために玄関のドアを開け閉めするのが主な仕事だ。部屋を飾り、おいしい料理を作って小さな幸せに浸るアラベラの姿は、タイタス・タヴェナー医師にはけなげなシンデレラにしか見えない。独身の彼に周囲は盛んに女性を紹介するが、退屈な相手ばかりだった。けれど、ときどき地下室を訪れるうちにタイタスの中で何かが変わった。愛してるわけじゃない。だが、アラベラと結婚すればうまくいく。突然のプロポーズをアラベラは静かに受け入れた。でも、愛のない結婚が本当にうまくいくのだろうか。
アラベラは実に穏やかで前向きで、この地下室の小さな部屋で猫と犬とのささやかな生活をより快適に過ごすために、お金をかけずにあれこれ楽しんで、とっても地に足が着いてる好感度大の女性です。
少々、地に足が着きすぎて離れないんじゃないかと思われるほどしっかりしてます。
そして、タイタス。
こちらはそれに輪をかけて、地に座禅で座り込んでんじゃないかと思われるくらい落ち着いてます。
そんな彼から突然、「あいにく詳しく説明している時間がないんだが、ぼくは君にプロポーズする」なんて言われたら、そりゃ、いくら落ち着いてるアラベラでも唖然としますって。
彼は働きすぎて疲れ果ててふと思いついた拍子に相手を勘違いして(!)そんなことを言っちゃったんだわ、なんて思われてるし。(笑)
そのあとお互い話し合って、堅実な2人らしい理由で結婚するんですが、アラベラがふたりは"黙っていても気まずさを感じない老夫婦のようだ"と思うんです。
それも、結婚式の夜に!
さすがにこの時は、"ちょっとあなた、まだ27なのよ、この先ほんとにそんなんでいいの?!"って母親のごとく心配してるわたし。
彼の同僚の美人医師が出てきてかきまわしだしてからは(ほんとはこういう展開は好きじゃないけど、この本の場合は別)、アラベラがやっと年相応の感情を表わすようになって安心しました。
ラストのタイタスの手紙もよかったですね。
で、もう一度最初から読んでみると、タイタスがアラベラに初めて会ったときから、なんやかやと自覚なしに気にかけてるとこがわかって、ほのぼのとしました。
ベティさんのは、一読めは大体"なんだ、このなに考えてんのかよくわかんないヒーローは?"って思うんだけど、再読すると"あ、この時はもうそう思ってたのね。"って、違った視点で読めるとこがいいんですよね。


