私はサリーなんかじゃない。殺人事件の重要証人として命を狙われ、名を変え、身分を偽ってアイダホの片田舎で暮らすことになり、ジュリアはわが身の不幸を嘆くばかり。しかし、孤独に震える日々は一変した…クーパーと出会ってから。元特殊部隊の寡黙な牧場主。でも優しさを内に秘めた男。やがて彼女の持ち前の明るさは、クーパーを、そして寂れた田舎町を希望で照らしてゆく。だが、殺し屋の影は着実に彼女へと迫っていた!
逃亡ものだから何年も身分を偽って隠れてて…、っていうのかと勝手に想像してたら、殺人事件を目撃してから1ヵ月後の話だった。
そうね、ジュリアの首に100万ドルもかかってるなら、賞金稼ぎの殺し屋たちがそんな長いこと見つけられないわけないわよね。
最初の方は、人生が一変してしまったジュリアの孤独や、この怯えた状態がいつまで続くのか不安や恐怖、田舎暮らしの不満や理不尽な状況への苛立ちが多いので、いまいち彼女の本来の性格がつかみづらい。
クーパーと出会うのがその頃で、全身真っ黒けで、石のように変わらない表情で片言しかしゃべらない(でも、ジュリアには人間の言葉に翻訳できるらしい。爆)けど、その力強い存在感に安心と慰めを感じ始めたあたりから、徐々に面白くなってきた。
ただ、無駄な描写も多い。
殺し屋がジュリアの居場所を突き止めるPC場面はもっと少なくてもいいように思うし、H/Hの心情が語られる部分も同じ表現の繰り返しが多く、それはさっき聞いたよ、って感じでかなり斜め読み。
これらを端折ったら、もうちょっとすっきり焦点が合って、もっとテンポある展開になって、本もこんなに厚くなくて、値段も安かったのになあ。(本音はここか)
後半はサクサク読めて、エピローグがかなり効いてる。
あの、最後のセリフを書きたかったがために、クーパーをああいう性格にしたんじゃないかと思うほどですわ。
「それって、私のせりふでしょ」 by ジュリア・デヴォー
笑わせたいのか、粋にみせたいのか、天然なのか、判断しかねるセリフがちょこちょこある。
もし、これがライスの最初の訳本だったら、ここまで人気は出なかったかもしれないな〜。
ほんと、真夜中シリーズは、勢いがあって、毛色も変わってて、それに、なんといってもヒーロー達のキャラが強烈な印象を残してる。
帯にこのシリーズが「ネットの人気投票で堂々の3位入賞」ってあったけど、これってどこのことだろ。


